日本住宅の変遷[日本の伝統住宅の考え方]

  日本の伝統住宅の考え方〜自然を愛でる日本文化の息づく住まい〜

日本の伝統的な木造住宅を見ると、開放性、つまり風通しの良さという大きな特徴を持っていることがわかります。これは日本という国が木材資源に恵まれていたたためで、西欧の砦や城郭などのように石材を使用せず、土地にあった木材を用いて構築したからと考えられます。
例えば、石材やレンガが主な材料である国などは、構造材料の差を建築形体の異なる要因とするところもあるが、それは単に手段の違いであって目的の違いではありません。もし、西洋が日本のような高温多湿の気候風土にあって、石材やレンガが必然的にあったとしたら、もっと違った住宅の形体や暮らし方が存在していたでしょう。わが国の古文「徒然草」の第五段に語られる、「......家のつくりやうは夏居を旨とすべし......」。これは日本の「風土」のあり方を端的に表現しているように思われます。
わが国最古の木造建築・正倉院校倉造り
三渓園臨春閣外観 日本の四季からいっても、冬の寒さはむしろしのぎやすく、夏の蒸し暑さを避ける家が最上とされてきました。「衣・食・住」つまり、住むこと、保存し食べること、そして十二単に代表されるように重ねて体温を保つこと、これはすなわち衣の世界です。
わが国の歴史的建築物を見ると、外壁、間仕切り壁、柱と柱の間はそのほとんどが障子や襖になっています。この開放的な考え方はどこからきたのでしょうか。「暑さ寒さも彼岸まで」という諺があるように、耐えるという精神文化こそが日本人のすべてであるように思われます。それは、彼岸まで辛抱すれば、あとは桜、新緑の候、そして夏を経て、紅葉の秋という夏を中心においた一年のサイクル、つまり四季をとおした生活、暮らし方が基本になっていることを意味していたのではないでしょうか。
臨春閣
 
それは、自然に対する畏れより、自然を愛でる心を大事にしてきた日本の文化。借景というように屋内に居ながらにして自然と接するという思い。そしてすべての万物に神々が宿ると信ずる信仰心など、自然と融合、共生した生活感こそが日本人としての国民性の根底にあったに違いありません。
 
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